いとおかし仮想化

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VMCのENIのスループットを実測してみた

こんばんわ

 

今日は、VMC on AWSとConnected VPCとのスループットを検証する機会がありましたので、紹介したいと思います。

 

構成イメージはこんな感じです。

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<VMC構成>

 リージョン/AZ:東京/ap-northeast-1a

 SDDCバージョン:1.12

 ESXiホスト:i3.metal 3ノード

 VMWindows Server2016 × 3台(各ホストに分散)

AWS構成> 

 EC2:Windows Server 2016(m5.xlarge) × 1台 

<測定方法>

 ツール:iperf-3.1.3

  EC2をサーバーモードで起動し、VMCのVM3台から同時にiperfを実行

 

 

結果の前に、、、、

 

そもそもVMCは、いわゆるAWSインフラストラクチャ上に構築されたサービスです。

 

ENI(Elastic Network Interface)と記載している部分について、VMCの場合VMware Cloud ENIと呼ばれたりしますが、ENI自体はAWSコンポーネントになります。

つまり、ENIは、ESXi ホスト(厳密にはベアメタルの ENA(Elastic Network Adapter) )に対して構成されるコンポーネントです。  

       f:id:TANGWAAAA:20210119230725p:plain

↑のように、実態としてはAWSのi3.metalインスタンスのENAであり、AWSの公表値では、ネットワークパフォーマンスは25Gbpsと記載されています。  

※ただし、AWS側の仕様によりシングルフロー通信は5Gbpsとなります。

aws.amazon.com

ちなみに、ENIの数は1クラスタあたり17個作成されます。

これは、1クラスタあたりMAXノード 16台(vSAN制約) + メンテナンス用の1つ、です。

 

 

また、VMC側の観点では、i3.metalインスタンスNSXによって仮想化したネットワークとなっているので、T0-Routerを含めたネットワーク帯域は、同じく25Gbpsで構成されています(各VMNICは10Gbpsです)。

 

前置きが長くなりましたが、試してみた結果を以下に。

 

まず、1台のみに対して実施

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ウィンドウサイズを変更すると、初回1秒だけ5Gbpsくらいのスループットが出ますが、以降は1Gbps前後に収まります。

 

3台同時実施

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およそ、1台あたり800~900Mbpsのスループットとなりました。

 

・・・・・・なるほど。

(どこかボトルネックが別にあるかも・・・?)

 

今回はちょ~~っと軽い気持ちで試してみたのですが、色々試すには時間がない!ということで、続きの検証は次回以降に持ち越したいと思います。

 

おそらくVM数を増やせばそのぶんスループットは上がるものだと思います。

あとは、スペックとかOS設定とか仮想NICとか、EC2側の構成とか色々ありますが、なかなかどうしてパフォーマンス検証というのは、往々にして深みにハマることがありますよね。。。

 

という言い訳を残しつつ今回はオサラバさせていただきます!ドロン

 

※追記

どうやらボトルネックは、EC2のスループットだったようです。

上記の通り、EC2はm5.xlarge(Network Perfomance:Up to 10 Gigabit)でしたが、、、この「Up to」はいわゆるバーストした際の最大スループットでございます。

 

・・・・じゃあ、ベーススループットはナンボなの?

 

という話ですが、AWS公式ではネットワークスループットに関してはベース値の記載がない!のです。

(EBSとかは詳細にバーストの仕組みとかベーススループットとかが記載されてるんですが・・・)

で、色々と検証してみたら、m5.xlargeはベースが1Gbps なのではなかろうか、、という結論にいたりました。