いとおかし仮想化

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Nested ESXi on VMware Cloud on AWS

こんばんわ

 

今日は、VMC on AWS上にNested ESXiを構築してみました。

 

Nested ESXiとは、ESXi上にESXiを仮想化して稼働させるヤツです。

ネスト環境とかネストESXiとかも呼ばれてる気がします。

 

ちなみに今回の検証は完全にVMwareサポートからは外れる構成になるので、そこだけご注意を。

 

で、

VMC on AWS上にNested ESXiは、正攻法では構築出来ません。

 

これはVMCというよりvSANの仕様です。

vSAN環境でNested ESXiをインストールしていこうとすると、、インストールディスクを指定するところでこんなエラーで失敗するようです。

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まぁ、オンプレvSAN環境だと、こんなコマンドをESXiで発行すればいけちゃうのですが。

  esxcli system settings advanced set -o /VSAN/FakeSCSIReservations -i 1

ただ、VMC環境の場合、ESXiにはSSHログイン出来ないので当然↑ のコマンドも発行できません。そして通常のVMCでは、vSAN以外のデータストアは使えないのでした。。

 

そこで、

今回試したのは、Veeam Backup&Replication というソフトによるバックアップ/リストア方式です。

 

流れで言うと、オンプレミスでNested ESXiを構築し、それをバックアップしてVMCに持っていき、VMC側でリストアする、という感じです。

(オンプレにNested構築できる環境あるなら、VMCでNestedする意味ってありますか?はい、あります。)

 

<イメージ>

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やってみた、

ら、

とくに変なこともせずに起動できました。

ちなみに、今回はESXi 5.1(無印)をネストしました。

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ただ、元々持っていたデータストアは使えなくなってましたし、

ディスクを追加してもデータストアとしてのマウントはできませんでした。

 

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なので、テキトーなLinuxサーバでNFSサーバとiSCSIターゲットをインストールして、Nested ESXiからマウントしてみたら、、、

問題なく出来ましたY。👇

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今や懐かしいvSphere Clientですね。5.1なので。

(途中vSphere Clientのバグで、日本語UIでのiSCSIデータストア作成ができず焦りました。。起動オプションで-locale en_US を指定したら回避できるアレでした。

 

左側のインベントリ見ていただければわかると思いますが、仮想マシンも問題なく作成できました!

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ということで、今回はVMCでも(頑張れば)Nested ESXiを稼働させることができる、ということを紹介させていただきました。

Veeam のレプリケーション機能とかOVAでもVMCに移行できそうですが、どうなんでしょう?時間があれば試してみたいと思います!

 

2021/2/15 追記

OVFエクスポート/インポートでもNested ESXiを稼働できました!

違いとしては、、

ネットワークアダプタが正常に認識されず、新規で追加したら疎通とれました

・データストアはそのまま使えました

 (Nestedにもともとあった仮想マシンは起動NG。ISOファイルなどはそのまま使用可能)

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仮想マシンは、再インストールでこのデータストア上で稼働できましたね。

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あと、注意点を忘れていましたが、、、

 

VMCでは、仮想スイッチのプロミスキャスモード(無差別転送)を設定できないので、Nested ESXi上の仮想マシンは外部には出れません。。

検証目的としては、Nested ESXi上の仮想マシン同士で疎通する場合のみとなりますね。。。

これは現時点回避できないので、使用シーンはかなり限られますが、仕方ありません。

 

ではでは。